【白文】
子曰、
惡紫之奪朱也。
惡鄭聲之亂雅樂也。
惡利口之覆邦家者。
【書き下し文】
子曰く、
「紫の朱を奪うを悪む也。
鄭声の雅楽を乱るを悪む也。
利口の邦家を覆す者を悪む。」
【現代語訳】
先生がおっしゃるには、
「紫色が朱色の美しさを奪うことを憎む。
鄭の音楽が雅楽を乱すことを憎む。
口が上手い輩が国家を転覆させようとすることを憎む。」
孔子が憎むものが3つ挙げられています。
混合色の紫が単色の朱色の美しさを奪うことを憎むというのは、過度に装飾を施したものが純粋なものの美しさを奪うことを嫌うといった意味合いです。
音楽においても同様で、華やか過ぎる音楽が古典の音楽を乱すことを嫌ったものです。
最後は、口が立つだけの輩が国家を乱そうとすることを憎むという意味です。
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