論語 公冶長5-13

公冶長

【白文】
子貢曰、
「夫子之文章、可得而聞也。
夫子之言性與天道、不可得而聞也。」

【書き下し文】
子貢曰しこういわく、
夫子ふうし文章ぶんしょうは、なり
夫子ふうしせい天道てんどうとをうは、からざるなり。」

【現代語訳】
(孔子の弟子の)子貢が言った。
「先生の文化についての教えは聞くことができた。
(しかし)先生の人の本性や天の摂理についての教えは聞くことができなかった。」

ハチ

弟子の子貢が孔子の教えについて述べたものです。

どのようなことは聞くことができ、どのようなことは聞くことができなかったのですか。

ハチ

文化については聞くことができたと述べています。
文化とは、詩や音楽、あるいは礼の作法なども含まれたものと考えられます。
このようなことについては、日常から弟子たちに教えを授けたということです。
一方、人間の本性や天の摂理については聞くことができなかったと述べています。

どうして人間の本性や天の摂理については教えなかったのでしょうか。

ハチ

人間の本性や天の摂理についても孔子は理解していたと思われます。
しかし、これらは抽象的な概念も多いことから、孔子の教えの中心にはなかったということです。
抽象的なことよりも、日々の具体的な行動様式が孔子の教えの中心だったと考えられます。

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