論語 雍也6-16

雍也

【白文】
子曰、
不有祝鮀之佞、而有宋朝之美、難乎免於今之世矣。

【書き下し文】
子曰しいわく、
祝鮀しゅくだ佞有ねいあらずして、宋朝そうちょう美有びあるは、かたいかないままぬかるること。」

【現代語訳】
先生がおっしゃるには、
「祝鮀のような弁舌の才能がなく、宋朝のような美貌をもつだけの者は、今の世を害されずに乗り切ることは難しいな。」

ハチ

祝鮀は、衛の霊公の時代の家臣であった人物です。優れた演説の才能をもつ能弁な人物であり、衛のために活躍しました。
宋朝は、同じく衛の霊公の時代の美男子であった人物です。今風にいえば「超イケメン」で、霊公の夫人である南子を喜ばせるために宋から呼び寄せられました。

孔子先生は、このふたりの人物を引き合いにどのようなことを言おうとしているのですか。

ハチ

美貌をもつだけの人間では世の中を生き抜けないということです。
「超イケメン」でも、演説が上手であったり、あるいは知識や教養を持ち合わせていなければ世の中で害されずにいることは難しい述べています。

イケメンだと目立ってしまうので大変ですね。

ハチ

現実の今の社会で考えるとわかりやすいと思います。
「超イケメン」の美男子がいたとします。
でも、知識や教養がなく、話すこともおもしろくなかったら幻滅しませんか?
まして、自分の美貌を鼻にかけていたとしたらむしろ批判されることになりかねません。

なるほど。

ハチ

美貌をもって生まれることは幸せなことですが、それに見合う知識や教養も必要だということです。

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