【白文】
顔淵喟然歎曰、
「仰之彌高、鑽之彌堅。
瞻之在前、忽焉在後。
夫子循循然善誘人。
博我以文、約我以禮。
欲罷不能。
既竭吾才、如有所立卓爾。
雖欲從之、末由也已。
【書き下し文】
顔淵喟然として歎じて曰く、
「之を仰げば弥いよ高く、之を鑽れば弥いよ堅し。
之を瞻るに前に在り、忽焉として後に在り。
夫子は循循然として善く人を誘う。
我を博むるに文を以てし、我を約するに禮を以てす。
罷まんと欲すれども能わず。
既に吾が才を竭くすに、立つ所有りて卓爾たるが如し。
之に從わんと欲すと雖も、由る末きのみ。」
【現代語訳】
願淵(顔回)がため息をついて言った。
「仰げば仰ぐほどいよいよ高く、切りこもうとすればいよいよ堅い。
前にいらっしゃったかと思えば、いつの間にか後ろにいらっしゃる。
先生は順序良く人を前に進ませられる。
私に書物を読ませて知識を広げさせ、礼によってその知識を集約してくださる。
途中で学問をやめようと思っても、やめることはできない。
自分の能力を出し尽くしたと思っても、先生ははるか高いところにそびえたっていらっしゃる。
先生に従ってついていきたいと思っても、どうしたらよいか方法が見つからない。」
顔回が、師匠孔子の偉大さを述べた場面です。
追いつこうと思っても、追いつけないのが孔子先生なのですね。
そうですね。
優秀な弟子である顔回でも、孔子の存在は偉大なものであったのです。
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