【白文】
子曰、
惟仁者、能好人、能惡人。
【書き下し文】
子曰く、
「唯だ仁者のみ、能く人を好み、能く人を惡む。」
【現代語訳】
先生がおしゃるには、
「仁徳を体得した者だけが、真に人を好み(愛し)、真に人を憎むことができる。」
仁者だけが心から人を愛したり憎んだりできると述べています。
心から愛するとか憎むというのはどういうことですか。
自分の感情に流されて人を愛したり憎んだりするのではなく、自然と湧き出る素直な情によって人を愛したり憎んだりできるという意味です。
損得や掛け値のない愛情や憎しみと言ってもよいでしょう。
仁を体得した人がそのような自然な愛や憎しみを持てるのですね。
はい。
仁を体得した人は、そのような感情を相手に伝える際も自然な形で表現できたものと思います。
つまり、必要以上に相手を喜ばせたり傷つけたりすることはなかったことでしょう。
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