論語 泰伯8-1

泰伯

【白文】
子曰、
泰伯其可謂至徳也已矣。
三以天下讓。
民無得而稱焉。

【書き下し文】
子曰しいわく、
泰伯たいはく至徳しとくきのみ。
たび天下てんかもっゆずる。
民得たみえしょうするし。」

【現代語訳】
先生がおっしゃるには、
「泰伯は至高の徳の持ち主だといってよいであろう。
3回も天下を譲った。
それを人民は(知らず、泰伯を)称賛することがなかった。」

ハチ

孔子が泰伯という人物を称賛している場面です。

どのような点を称賛しているのですか。

ハチ

泰伯は長男で周の国の後継者になれる立場の人間でした。
しかし、祖父や父が自分以外の人間を後継者にしたいと考えていることを知り自ら身を引いたのです。
3回というのは具体的な回数ではなく、繰り返し後継者の立場に就くことを辞退したという意味があるようです。

後継者の立場を自ら譲ったことを孔子先生は称賛しているのですね。

ハチ

はい。
人民に知られることもなくひっそりと身を引いた泰伯の徳を至高の徳として高く評価しています。

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