【白文】
子曰、
孰謂微生高直。
或乞醯焉。
乞諸其鄰、而與之。
【書き下し文】
子曰く、
「孰か微生高を直しと謂うや。
或るひと醯を乞う。
諸を其の鄰に乞うて而して之に与う。」
【現代語訳】
先生がおっしゃるには、
「誰が微生高のことを正直者などと言うのだ。
ある人が酢を借りに行ったとき、隣の家から酢をもらってその人に与えたというではないか。」
微生高という人の評価について孔子が述べています。
微生高という人は正直者なのですか、それとも正直者ではないのですか。
正直者ではないと孔子は述べていますか。
それはどうしてですか。
ある人が微生高の家に酢を借りに行ったときに、微生高の家には酢がありませんでした。
正直に「ありません」と言ってもよかったのにそう言わず、隣人から借りてそれを渡したからです。
隣人から借りてまで渡してあげたのならばよいことをしたのではないのですか。
それ自体は非難されることではないのかも知れませんが、持っていなかったものを持っているように偽ったことを孔子は重く見たのでしょう。
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