論語 雍也6-12

雍也

【白文】
冉求曰、
非不説子之道。
力不足也。
子曰、
力不足者、中道而廢。
今女畫。

【書き下し文】
冉求曰ぜんきゅういわく、
みちよろこばざるにはあらず。
力足ちからたらざるなり。」
子曰しいわく、
力足ちからたらざるものは、中道ちゅうどうにしてはいす。
今女いまなんじかぎれり。」

【現代語訳】
(孔子の弟子の)冉求が言った。
「先生の教えを喜ばないのではありません。
わたしに教えを実行する力が足りないのです。」
先生がおっしゃった。
「力が足りない者は、途中であきらめてしまう。
今のお前は、(力が足りないのではなく、)自分で自分の限界を決めてしまっているのだ。」

ハチ

若い人に特に感じてほしい教訓が読み取れます。

孔子先生の弟子の冉求が自分の力が足りないと言ったのですね。

ハチ

はい。
冉求(冉有)は、孔子からも能力を評価された弟子でした。
しかし、ここでは孔子から教えを受けることはうれしいが、自分にはそれを実行する力が足りないと弱音を吐いています。

それを孔子先生は戒めたのですね。

ハチ

その通りです。
お前は力不足なのではなく、最初から自分の限界を決めてしまっていると指摘しています。
今に生きる私たちもそうですが、何かに取り組むときに、「自分はここまでしかできない」とか「これくらいやれればよいだろう」といった風に、あらかじめ自分の限界を区切ってしまうことがあります。
しかし、最初から限界を区切ってしまえば、それを越えることは不可能です。
限界など区切らずに努力ができれば、どこまでたどりつけるかわかりません。
当初思ってもいなかったところまで到達できることもあるのです。

限界を決めず努力することは大切なのですね。

ハチ

はい。
若い人には特に意識してもらいたい教訓と言えます。

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