論語 憲問14-40

憲問

【白文】
子撃磬於衞。
有荷蕢而過孔氏之門者。
曰、
有心哉、撃磬乎。
既而曰、
鄙哉。
硜硜乎、莫己知也。
斯已而已矣。
深則厲、淺則掲。
子曰、
果哉。
末之難矣。

【書き下し文】
子磬しけいえいつ。
にないて孔氏こうしもんぐる者有ものあり。
いわく、
心有こころあかなけいつや。」
すでにしていわく、
いやしいかな
脛脛乎こうこうことして、おのれなり
斯已これおのれのみ。
ふかければすなわはげし、あさければすなわけいせよ。」
子曰しいわく、
なるかな
これかたしとするし。」

【現代語訳】
先生が衛で磬という楽器を打ち鳴らしていらっしゃった。
土を運ぶモッコを担いだ者が、孔子の家の門の前を通りかかって言った。
「何か意図がありそうだな、この磬の打ち鳴らし方は。」
しばらくして言った。
「つまらない音だ。
音が堅苦しく、自分を理解してくれる人がいない(と言っているようだ)。
(それは)自分のことしか考えていないからだ。
『深いところでは衣服を脱ぎ、浅いところでは裾を上げる』と詩でも言っているではないか。」
先生がおっしゃった。
「思いきりのよい考えだな。
(しかし)その打ち鳴らし方は難しくはないがね。」

ハチ

自分の楽器の打ち鳴らし方を批評された孔子がそれに返答している場面です。

どのように批評されたのですか。

ハチ

臨機応変にもっと気楽に振る舞えばよいというニュアンスの言葉をかけられました。

孔子先生はどのように答えたのですか。

ハチ

そのようにすることはそう難しいことではないけどね、と答えています。
気楽に生きることは難しいことではないけれど、理想を追求していきたいという意図を含む返答です。

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