論語　顔淵１２－９

【白文】
哀公問於有若曰、
年饑用不足。
如之何。
有若對曰、
盍徹乎。
曰、
二吾猶不足。
如之何其徹也。
對曰、
百姓足、君孰與不足。
百姓不足、君孰與足。

【書き下し文】
哀公有若あいこうゆうじゃくに問といて曰いわく、
「年饑としうえて用足ようたらず。
之これを如何いかん。」
有若對ゆうじゃくこたえて曰いわく、
「盍なんぞ徹てっせざるや。」
曰いわく、
「二にだに吾猶足われなおたらず。
之これを如何いかんぞ其それ徹てっせせんや。」
對こたえて曰いわく、
「百姓足ひゃくせいたらば、君孰きみたれと与ともにか足たらざらん。
百姓足ひゃくせいたらずんば、君孰きみたれと与ともにか足たらん。」

【現代語訳】
哀公が有若に質問して言われた。
「今年は飢饉で財政不足になっている。
どうしたら良いだろうか。」
有若が答えて言った。
「どうして収穫の１０分の１を納めさせる税を使わないのですか。」
（哀公が）言われた。
「１０分の２を納めさせても足りないのに、どうして１０分の１にできようか。」
（有若が）答えて言った。
「民衆が満足していれば、君主は誰と一緒に不足しているというのでしょうか。
民衆が不足していれば、君主は誰と一緒に満足しているというのでしょうか。」