論語 述而7-28

述而

【白文】
互郷難與言。
童子見。
門人惑。
子曰、
與其進也。
不與其退也。
唯何甚。
人絜己以進。
與其絜也。
不保其往也。

【書き下し文】
互郷与ごきょうともがたし。
童子見どうじまみゆ。
門人惑もんじんまどう。
子曰しいわく、
すすむにくみするなり
退しりぞくにくみせざるなり
ひとえになんはなはだしきや。
人己ひとおのれいさぎよくしてもっすすむ。
いさぎよきにくみするなり
おうせざるなり。」

【現代語訳】
互郷(という地域)の人たちとは話が通じにくい。
互郷で子供たちが先生とお会いした。
(それで)弟子たちが嫌な顔をした。
先生がおっしゃった。
「私はこの子たちの進歩の手助けをしたいのだ。
後退しようとするのなら手助けはしない。
それなのにどうして嫌な顔をするのか。
人が心身ともにすっきりと清潔にして会いに来る。
(そのときには)その清潔さに手助けをするのだ。
その先の結果までは保証はできないが。」

ハチ

互郷という地で子供たちが孔子に面会にやって来ました。

弟子たちはそれをよく思わなかったのですね。

ハチ

そのようですね。
しかしそれを孔子は一蹴しています。
成長したい、進歩したいという純粋な気持ちでやって来る人の手助けはしてあげるものだと弟子たちに教えています。

その先の結果は保証しないというのはどういう意味ですか。

ハチ

教えを求めている者に対して手は差し伸べるが、その先の結果は教えを受けた人の努力次第であるということです。

なるほど。

ハチ

さらにここでは、相手によって接する態度を変えてはいけないということを孔子は教えようとしているものと考えられます。
相手が貧しい地域の人であろうと、子供であろうと、真剣な態度で接しなさいということです。

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