論語 子罕9-14

子罕

【白文】
子欲居九夷。
或曰、
陋如之何。
子曰、
君子居之、何陋之有。

【書き下し文】
九夷きゅういらんとほっす。
あるひといわく、
いやしきことこれ如何いかん。」
子曰しいわく、
君子之くんしこれらば、なんいやしきこと之有これあらん。」

【現代語訳】
先生が九夷に移住されようとした。
ある人が言った。
「粗末で卑しいところですがどうですか。」
先生がおっしゃった。
「君子がそこに住めば、どうして粗末で卑しいことがありましょうか。」

ハチ

孔子が九夷という未開の国に移住したいというのを聞いて、ある人が質問しています。

九夷は粗末で卑しい地域なのですね。

ハチ

はい。
そのようなところに移住して大丈夫なのかと質問しています。

君子が移住すれば大丈夫なのですよね。

ハチ

はい。
君子によって教育が行われや文化も伝えられるのでそのような心配は不要だと述べています。
しかし、この話の主題はそこではありません。
理想社会の実現に苦労した孔子が、ふと現実逃避をしたいと思って移住の話をしているところがポイントです。
理想社会の実現がいかに難しかったかが感じられます。

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