論語 述而7-1

述而

【白文】
子曰、
述而不作。
信而好古。
竊比於我老彭。

【書き下し文】
子曰しいわく、
べてつくらず。
しんじていにしえこのむ。
ひそかに老彭ろうほうす。」

【現代語訳】
先生がおっしゃるには、
「祖述はするが創作はしない。
古代のよき教えを信じて愛する。
ひそかに自分を老彭(という人物)になぞらえている。」

ハチ

孔子が自らの姿勢について述べたものです。

どのような内容ですか。

ハチ

過去の歴史から今につながるよき伝統を伝えることはするが、新たに自分で何かを創り出すことはしない。
古代のよき教えを信じて尊重する。
これらからは、いずれも古のものを尊重しそれを守ろうとする姿勢が感じ取れます。

新しいことを創り出すことも大切なのでは?

ハチ

もちろんそのような姿勢も必要です。
しかし新しいものはその価値が評価され、社会に定着するまでには一定の時間がかかります。
それに対し古から今に引き継がれているものは、既にその価値が認められ人々の生活に役立っているものです。
そういうものを大切にしていこうという孔子の姿勢が読み取れます。

老彭とはどのような人物ですか。

ハチ

詳細は不明な人物なのですが、孔子が自らをなぞらえると述べていることから孔子がお手本とする人物だったのではないでしょうか。

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