【白文】
冉子退朝。
子曰、
何晏也。
對曰、
有政。
子曰、
其事也。
如有政、雖不吾以、吾其與聞之。
【書き下し文】
冉子朝より退く。
子曰く、
「何ぞ晏きや。」
對えて曰く、
「政有り。」
子曰く、
「其れ事也。
如し政有らば、吾以いられずと雖も、吾其れ之を与かり聞かん。」
【現代語訳】
冉子(=冉有)が朝廷から退出した。
先生がおっしゃった。
「どうしてこんなに遅くなったのだ。」
(冉有が)答えて言った。
「政治の問題があったからです。」
先生がおっしゃった。
「それは(お前が仕えている季孫氏の)私事だろう。
もし政治問題があったのならば、私が重要な役職に就いていなくても、何かしらの相談があるはずだ。」
冉有は優秀な人物でしたが、魯の君主よりも家臣である季孫氏の側に立って活動する傾向がありました。
それを孔子先生は注意したのですね。
そのようです。
季孫氏の私事を国の政治問題だと勘違いしている冉有を諫めたものです。
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