【白文】
子適衛。
冉有僕。
子曰、
庶矣哉。
冉有曰、
既庶矣。
又何加焉。
曰、
富之。
曰、
既富矣。
又何加焉。
曰、
教之。
【書き下し文】
子衛に適く。
冉有僕たり。
子曰く、
「庶き哉。」
冉有曰く、
「既に庶し。
又何をか加えん。」
曰く、
「之を富まさん。」
曰く、
「既に富めり。
又何をか加えん。」
曰く、
「之を教えん。」
【現代語訳】
先生が衛に行かれた。
冉有が御者を務めた。
先生がおっしゃった。
「(衛は)人口が多いな。」
冉有が言った。
「既に人口が多い衛には、他に何を加えたらよいですか。」
(先生が)おっしゃった。
「(人々を)裕福にすることだ。」
(冉有が)言った。
「裕福にした後は、他に何を加えたらよいですか。」
(先生が)おっしゃった。
「教育を施すことだ。」
人口が多い地域での政治のやり方について孔子が冉有に教えています。
どのような教えですか。
まずは人々の生活を豊かにすることを考えなさいということです。
次に人々の教育を行い、教養のレベルを引き上げなさいと述べています。
なるほど。
順番も大事なのですね。
そのようですね。
現在の日本を考えてみてください。
孔子は人口が十分にある地域の政治について述べていますが、今の日本は急速に少子化が進行しています。
これは国家の存亡に関わる異常な状況です。
国民を豊かにし、教育のレベルを上げることも大事ですが、政治家にはこの少子化にどう対応するのか、明確なビジョンを示すことが求められています。
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