論語 子罕9-13

子罕

【白文】
子貢曰、
有美玉於斯。
韞匵而藏諸。
求善賈而沽諸。
子曰、
沽之哉、沽之哉。
我待賈者也。

【書き下し文】
子貢曰しこういわく、
ここ美玉有びぎょくあり。
ひつおさめてこれぞうせんか。
もとめてこれらんか。」
子曰しいわく、
これらんかなこれらんかな
われ者也ものなり。」

【現代語訳】
(孔子の弟子の)子貢が言った。
「ここに美しい宝石があるとします。
これを箱に入れてしまっておいたほうがよいでしょうか。
それともよい買い手を見つけて売ったほうがよいでしょうか。」
先生がおっしゃった。
「売ったほうがよい。売ったほうがよい。
私はよい買い手を待っているのだ。」

ハチ

宝石の扱い方に置きかえて、身の処し方について述べている場面です。

それはどういうことですか。

ハチ

宝石によい買い手があるならば売ったほうがよいと述べています。
それを身の処し方に置きかえると、自分を評価してくれる人がいれば喜んでお仕えするよということです。

なるほど。
宝石のことを述べているわけではないのですね。

ハチ

はい。
宝石を用いて質問した子貢に対し、孔子がまだまだ社会のためにはたらくよという衰えることのない意志を表現しています。

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