【白文】
入公門、鞠躬如也。
如不容。
立不中門。
行不履閾。
過位、色勃如也。
足躩如也。
其言似不足者。
攝齊升堂、鞠躬如也。
屏氣似不息者。
出降一等、逞顔色、怡怡如也。
没階、趨進翼如也。
復其位、踧踖如也。
【書き下し文】
公門に入るに、鞠躬如たり。
容れられざるが如くす。
立つに門に中せず。
行くに閾を履まず。
位を過ぐれば、色勃如たり。
足攫如たり。
其の言うこと足らざる者に似たり。
齊を摂げて堂に升るに、鞠躬如たり。
気を屏めて息せざる者に似たり。
出でて一等を降れば、顔色を逞べて、怡怡如たり。
階を没くせば、趨り進むこと翼如たり。
其の位に復れば、踧踖如たり。
【現代語訳】
(孔子は)宮廷の門に入るときには慎み深く身をかがめるようにし、
ギリギリで通れるような姿勢をした。
門の中央には立たなかった。
門の敷居は踏まなかった。
君主の席の側を通りすぎるときは、引き締まった表情になり、
静かにゆっくりと足を運んだ。
(まるで)何も話せない人のように口数が少なくなった。
衣服の裾を持ち上げて正堂の階段を上るときは、身をかがめた。
息をひそめて呼吸ができない人のようであった。
正堂から出て階段を一段下ると、表情を緩めホッとうれしそうな様子になった。
階段を全部下りきると、小走りに進みその様子は翼を広げた鳥のように優雅であった。
再び君主の席の側を通り過ぎるときは恐れ慎む様子になった。
孔子が宮廷に行き来したときの様子が述べられています。
表情や振る舞い方に変化があるのですね。
礼を守る緊張感が感じられる一節ですね。
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