【白文】
齊景公問政於孔子。
孔子對曰、
君君、臣臣、父父、子子。
公曰、
善哉。
信如君不君、臣不臣、父不父、子不子、雖有粟、吾得而食諸。
【書き下し文】
斉の景公政を孔子に問う。
孔子對えて曰く、
「君君たり、臣臣たり、父父たり、子子たり。」
公曰く、
「善き哉。
信に如し君君たらず、臣臣たらず、父父たらず、子子たらずば、粟有りと雖も、吾得て諸を食らわんや。」
【現代語訳】
斉の景公が政治につて孔子に質問された。
孔子が答えておっしゃるには、
「君主は君主らしく、臣下は臣下らしく、父は父らしく、子は子らしくあることです。」
景公がおっしゃった。
「そうだね。
もし君主が君主らしくなく、臣下が臣下らしくなく、父が父らしくなく、子が子らしくなかったら、穀物があっても私はそれを食べられないだろう。」
斉の景公の質問に孔子が答えています。
政治についての質問に孔子先生が答えたのですね。
はい。
それぞれの立場の人間が、それぞれの立場にふさわしい行いをすることだと述べています。
この答えを聞いて景公はどうして穀物が食べられないと話しているのですか。
景公は君主としてはあまり人格に優れた人物ではありませんでした。
自分の財産を増やすことをいつも考えているような君主だったのです。
それぞれの人が自分の立場にふさわしい行いをしなければ、穀物が手に入ったとしてもそれは十分な量ではなく、結果として自分の財産も増やせなくなってしまうと考えたのでしょう。
ここでも自分の利益のことを考えているのです。
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