論語 述而7-15

述而

【白文】
子曰、
飯疏食飮水、曲肱而枕之。
樂亦在其中矣。
不義而富且貴、於我如浮雲。

【書き下し文】
子曰しいわく、
疏飯そしらいみずみ、ひじげてこれまくらとす。
たのしみ亦其またそうちり。
不義ふぎにしてとうときは、われいて浮雲ふうんごとし。」

【現代語訳】
先生がおっしゃるには、
「粗末な食事を食べ水を飲み、肘を曲げて枕にする。
そのような質素な暮らしの中にも楽しみはある。
不正な手段で得た富や高い地位は、私にとっては浮雲のようなものに過ぎない。」

ハチ

質素な暮らしの中にも楽しみはあるのだと孔子が述べています。

質素な暮らしの中での楽しみとはどのようなものですか。

ハチ

学問や徳の実践に楽しみがあったのだと思います。
学問や徳の実践を心がけている人にとって豪華な衣食住は必要のないものだったのでしょう。

不正な手段で得た富や地位についても述べていますね。

ハチ

はい。
不正な方法で富や地位を得ることを正面から批判せず、自分にとってそのようなものは浮雲のようなものだと述べています。
不正な方法で得た富や地位のようなものは、孔子の教えや暮らしとは遠く離れたところに存在していたのです。

現代でも不正や汚職事件のニュースを聞くことがありますね。

ハチ

残念ながらそれも事実です。
不正な手段で私利私欲を肥やす人はいないと信じたいものですが、政治家や役人、企業人のそのようなニュースが時折報道されています。
そのような人にこそこの一節を読んでほしいものです。

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